若さとは・・・。職場での出来事。

職場で一番若い女性職員が、机の前にやってきた。
一片の紙を差し出し、「どうですか?」と問う。
差し出された紙は、アンケート用紙だった。彼女が作成したものらしい。
「どうですかって、何が?」
当然、訊きたくなる。 アンケートに盛り込んだ質問の数の過少を知りたいのか? それとも選択枝が適切かどうかを判断して欲しいのか?
アンケートについては、一家言ある平茂寛である。びしっと気の利いたアドバイスをしてやろうと息を吸い込んだ。
だが待て! そもそも彼女は、平茂寛のシマの人間ではない。本来であれば、自分のシマの上司に訊ねるのがスジと言うものだろう。
その疑問は、続いて彼女の口から発せられた一言で氷解した。
「ちゃんと読めますか?」である。
もはや、「はあ?」という間の抜けた声を返す他はない。
彼女は、親切にも、追い打ちを掛けた。
「字の大きさですよ。老眼でも読めるかどうか教えて下さい」と、はっきり言ったのだった。
「ちゃんと見えるよ。そんなに(老眼は)進んでいなくてね。他の人にも見て貰ったほうがいい」
精一杯の反抗だ。もういい! 早くどこかに行ってくれ。
だが、彼女は、「すいません。そんなつもりでは……。失礼しました」と、しっかりダメ押しするのを忘れなかった。
そこで謝るか!
ご同輩。若さとは、誠に残酷なものでありますなあ。

写真: 見るものすべてが美しい秋の日になった。

 


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