江戸名所百景「両国花火」

このたび、広重の名作である江戸名所八景の「両国花火」の摺りものを、御好意により頂きました。長いこと見詰めていても、飽きのこない、とても素敵な絵です。

享保十八年に将軍吉宗が、各地に蔓延していた疫病や飢饉を退散させるために、両国橋で花火を打ち上げることを命じました。これが両国の花火のはじまりとか。
この摺りものは、両国の川開きの花火の図として、よく紹介されていますが、「広重 江戸名所百景」ヘンリースミス著(岩波書店)によれば、必ずしも川開きの日ではない、と、しています。

その理由は、
①川開きとなれば、橋が人で埋まるぐらいになるが、この絵ではそれほどでもない。
②一年に一回’(例えば花火大会)だけ花火を打ち上げるようになったのは明治時代からで、江戸時代は、夏の間は、何回か打ち上げていた。
です。

やや沈んだ色目や、人や舟の様子に落ち着きが見えるところから、夏まっさかりと言うよりも、そろそろ秋風の走りを感じる季節の風景にも思えます。


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