山田風太郎。幻燈辻馬車。のっけから幽霊登場も違和感なし。さすがは大御所。

山田風太郎の『幻燈辻馬車』上下巻を読みました。
2ページ目ぐらいから、もう幽霊の登場です。西南戦争で死んだ息子が、血を垂らしながら顕れ、主人公の老爺と話をするわ、叱られるわ、泣くわ、ついでに老爺の妻まで呼び出すという弾みよう。

そりゃあないだろう! と、違和感を感じそうですが、さすがは大御所。全く気になりません。むしろ、これが当たり前でしょ、という雰囲気。

明治十年代の壮士風俗や街の風景などが描かれ、嘉納治五郎、山川捨松、大山巌などの有名人が、史実を踏みながら筋書きに絡んできます。あまりの著名人のオンパレードに、ここまでやらなくても……とも思いましたが、そこはご愛敬。

文章がとても読みやすく、すらすらと読んでいけます。娯楽作とは、こう書くのだ、という作者の声が聞こえてきそうな本です。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です