作家の本棚9「登場人物の着物にはいつも悩む」

img029

平茂寬は歴史の知識が乏しい人間です。特に服装についてはさっぱり……。
しかし、時代小説を執筆しようとすれば、「装束が分からない」では通用しません。登場人物が全員裸で登場するなら、いいんですけどね。

ただ、衣装の描写は、舞台となる時代のみならず、登場人物の身分や仕事、着る場所によっても異なるのですから、なかなか大変です。さらに文様の種類や衣服そのものの呼び名、衣服の部位の名称、あるいは、どんな着方が当時、洒落ていたのか……など、恐ろしいほど多くの要素があります。どれも、これまで縁遠かった事項ばかりなので、いつも悩み苦しむところです。

上記の悩みの答えが一冊の中にコンパクトに、しかも図解入りでまとめてある本書『図解 日本の装束』池上良太著 (新紀元社)は、手放せない一冊です。この本で全てがパーフェクトに理解できるわけではありませんが、平茂寬のように、書きたがりで「走りながら服を着る」タイプの人間には、迅速に知識が得られる本書は貴重です。
一度この本を紛失したことがありましたが、目の前が暗くなる気さえしたものです。
黒と緑の二色刷りなので、和服の鮮やかな色彩や生地の風合いまでは直感できませんが、それは別の書籍で確認すればいいのです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です