作家の本棚6「世界の巨匠にリベンジを誓う」

『ゴールデンボーイ』スティーヴン・キング著
51gDieep4DL._AA160_ いい小説を書くためには、海外の小説もよく読み込んでおくべき、と薦められ、最近はできるだけ読むよう心がけています。とは言え、海外の小説は苦手です。登場人物が多いため、読む前から怖じけてしまうので。
勇気をふるって読んでみるのですが、集中して読める作品にはなかなか出会えませんでした。でも、この作品は違いました。着想の奇抜さと設定の妙味にため息が出ました。作者は、映画化された「グリーンマイル」や「スタンドバイミー」を書いた世界的な巨匠。当たり前と言えばそうかも(本作も1998年に映画化されています)。
旧ナチスドイツの強制収容所でユダヤ人を虐殺した人物が、素性を隠してひっそりと老いて生きている。優秀な少年が、ある資料を目にしたことを契機に、この老人の過去を見抜き、己の命を守る保険をかけて接近し、ホロコーストの実情を聞き出そうとする――まあ、ざっとこんな感じでしょうか。
殺人鬼を前にする子供の緊張、口封じに子供を殺したいのだが殺せない老人。そのうちに、老人の心に、親心にも似た感情が芽生える。いや、もう最高でしょう。
ですが、後半から結末がどうしても納得できませんでした。なんで、そっちの方向に行っちゃうのお???
すると、世界の巨匠を相手にとんでもない野心が頭を擡げてきたのです。ついには言葉になって口から噴き出しました。
「このままじゃ済まさないぞ。この話を納得できる物語に再構築してやる」
こっそりとリベンジを誓いました。


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