作家の本棚23『武鑑』

武鑑」とは、大名や幕府の役人についてまとめた、江戸時代のガイドブックです。大名を例に取れば、名前、系図、江戸城内の詰所、家紋、屋敷地に加え、正妻、嫡男、さらには将軍への献上物まで(他にも項目はある)記されています。img091
江戸見物に来た観光客が、大名や幕閣の行列を見て、先頭を歩く槍の形状や材質、あるいは家紋などを「武鑑」と照らし合わせ、「おお、あれが白河の中将様か」などとやるわけです。江戸見物には不可欠のガイドだったのでしょう。

文化十三年の幕府の役人の名を知りたくて、『文化武鑑』を閲覧するため、図書館に行きました。開いて見ているうちに、欲しくなって、購入したのが、この古書です。
文化シリーズは7、8冊あるようですが、とりあえず、この一冊だけ入手してみました。

 

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『文化武鑑』で調べたのは、目黒駒場御薬園の園監・植村左平次について。
植村家は薬種御庭番の家で、植村左平次政勝を初代として享保五年(一七二〇)から目黒駒場御薬園預を勤めました。以降、代々、左平次を名乗っていきます。
ですから、文化十三年の左平次は政勝ではなく、子孫の政養(まさもち)でした。ついでに、息子の左平太の諱は政備(まさとも)。ここまで知るためには、県立図書館で寛政重修諸家譜という資料も探らなければならなかったのです。
でも、ちょっとした時代トリップを楽しめました。

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ホンモノの『武鑑』はこんな感じらしい。


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