作家の本棚22『江戸の名奉行』

『江戸の名奉行』新人物往来社は、44人の奉行を取り上げ、その活躍や実績を、エピソードを交えて紹介している本です。
奉行と一口に言っても、勘定奉行や寺社奉行、長崎奉行などなど、結構、役の数は多いのです。しかし、この本で取り上げているのは、ほとんどが江戸町奉行です。
通読したわけではありません。興味を抱いた部分だけ読んでいます。ぱらぱらページを捲ってみるだけでも、楽しめますよ。
44人の内訳は、大岡越前守忠相、遠山の金さん、鳥居甲斐守などそうそうたる顔触れが並びます。img090

平茂寬が最も魅力を感じたのが、根岸肥前守鎮衛(やすもり)。御家人から町奉行にまで上り詰めた、という、普通ではありえない経歴の人です。さらに遡れば、そもそも実家は百姓で、御家人株を買って幕臣になったという経緯。ますます興味を惹かれます。
また、幕閣として活躍しながら、巷の奇談珍談、雑話などを聞き書きした、十巻千話からなる「耳嚢(みみぶくろ)」という随筆まで残している点も異色です。
豪放磊落で声が大きかったとか、自白主義だった当時の決まりを無視した判決をしたとか、面白そうな話題がいろいろあります。
江戸の庶民がこぞって「名奉行」と呼んだそうですから、遠山の金さんや大岡越前よりも、もっと広く知られてもいいのでは。
根岸肥前守を主人公にした作品を、そのうちに書いてみたいと思っています。


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