作家の本棚11「これは面白い警察庁史」その1

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小説執筆の参考にしようと、『警察庁史 明治編』を1年半ほど前に購入しました。警視庁史編さん委員会発行で、本誌は昭和46年に発行された第二版です。実に面白い内容の本でした。冒頭に、初代・川路利良から二代目大山巌・・・十九代までの警視総監(二代目までは大警視)の経歴と顔写真が並びます。川路大警視の就任が明治七年だから、今の警察の原点はここから始まるのです。初代から六代目まで薩摩の人物が並ぶところが興味深いです。西郷隆盛が東京を去ったときに、かなりの薩摩人がこれに倣いました。結果として政治の重要なポストのほとんどを長州の勢力が占めましたが、その中で、薩摩勢が牙城を守り続けた感のある役職です。

 

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写真は第五代警視総監の三島通庸です。鬼県令(知事)とも呼ばれた有名な人で、福島県や栃木県の県令を務めたときに、強引なやり方で道路整備を進めました。反対する動きがあれば、容赦なく弾圧した人です。県令時代には暗殺の標的にされたこともありました。一方では、切り開いた交通路が地域の発展に大きく貢献しました。
この人が警視総監となった期間のうち、明治19年から3年間は、警視庁を挙げての大慰安会が開かれました。なかでも一番盛大だったのは明治21年に品川沖で行われたものでした。海を埋め尽くすほどの船を繰り出し、花火を打ち上げ、さらには陸に上がっての大宴会・・。粋な計らいに、警視庁員の士気が大いに上がったとされています。


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