作家の本棚1「しばれん(柴田錬三郎)はさすが」

平茂寬は、今こそ小説家なんぞと自称していますが、子供の頃から本に親しめず、これまでも小説をあまり読んでいません。読んでみても、眠くなって途中で投げ出してしまう場合が多いのです。

人気小説家の森博嗣先生は、小説家は他人の小説は読まぬほうが良いと主張しており、実際に森先生は読まずしてヒット作品を連発しております。
けれども、「小説家は読むべき」派のほうが圧倒的に多いのは事実で、平茂寬も今のままではイカンと大いに反省し、極力、他の作者の執筆した作品を読むように心がけています。

睡魔と戦いながら苦闘する中で、柴錬(柴田錬三郎)の『江戸群盗伝』に出会いました。娯楽時代小説の大御所ですから、年配の方であれば誰しも作品を読まれた経験がおありでしょう。ところが平茂寬は初めてでした。

驚きました。筋書きに意外性があって、実に面白い。よくもまあ、こんな流れを考えつくもんだと感心しました。筋書きを大事にしたい平茂寬には、大いに勉強になる内容!
ストーリーの流れも小気味よく、読みやすい。主人公が、素性を隠して荒屋に潜んでいた将軍の娘と心惹かれ合うのですが、この娘は、主人公のライバルが昔愛した女性(結ばれぬまま将軍に見そめられてしまう)の子供であった、という件には、特に痺れました。
また、着物や髪型についての描写には、柴錬の時代考証に対する自信が伺われます。img022

大学の先輩から頂戴した新潮文庫で、昭和47年の第十八刷です。当時の価格はなんと180円。

『続江戸群盗伝』も面白かったんですが、こちらは最後にご都合主義が出て単純なヒーロードラマみたいになってしまいました。終わり方も尻切れ蜻蛉みたいで。

なかなか難しいですね。でも、途中までじゅうぶん堪能できたから満足! そんな気持ちにもなりました。


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