「つながる」って?!

 私は今年度から農業大学校の教員になった。学生を教えるのは生まれて初めてである。
 授業や実習で、学生に知識を教えたり演習させたりしてきたのだが、今まで手応えを感じることができずにいた。10ヶ月近くを経過して、この体たらくは情けないの一語に尽きる。
 
 詳しい話は割愛するが、今日、ある調査を学生にやらせていたとき、関連して出た質問に答える代わりに、教室にあった本を参考書として紹介した。すると、それまでしょぼっとしていた学生の目が、これまでにない輝きを帯びたのだ。なんと笑みまで浮かべているではないか。正直驚いた。
 
「つながった」私は教育者1年生ながら確信した。その学生の頭の中で何かが「つながった」のだ。実際は、調査で拾い上げた複数の固有名詞が、その書物の中にあったというだけなのだが。
 
 成人前後の学生への教育とは、いわゆる初等教育とは異なり、知識の伝達もさることながら「つながり」を橋渡しすることではないかとそのとき思った。つながる瞬間の喜びを味わうほどに、もっともっと学習に貪欲になり、積極的な行動が採れるようになるのでは。
 
 他人から見れば拙く、笑止千万に思えるかもしれないが、教育者らしきことを今日ようやくなし得た――そんな思いに至り、とても嬉しかった。

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